キャッシングというサービスに対して、どんな印象を持っていますか?
『キャッシングでお金を借りるのはやばい』、『消費者金融とかかわりを持ったら危ない目にあう』というような印象を持っている方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
(⇒キャッシングを利用すると破滅する?)
テレビや街中で当たり前のように広告を見かけるキャッシングですが、一般の人たちからのイメージは正直なところあまり良いとは言えません。
それはいったいなぜなのでしょうか?そして、キャッシングというのは本当に利用したらやばい・危ないサービスなのでしょうか?
ここではそんな気になる噂の真相を解明していきたいと思います。
なぜキャッシングに対して悪いイメージが定着してしまっているのかということを検証していくと、今現在の消費者金融やキャッシングサービスの原型ともいえるいわゆる『サラ金・街金』なるものに行き当たります。
サラ金や街金といった個人にお金を融資するサービスが最初に登場したのは、1960年代のことです。
当時は、お金を借りる先と言えば銀行が主でしたが、銀行で融資を受けるには煩雑な手続きとそれなりの時間が必要となり、またかなり審査が厳しかったということもあって、あまり個人が気軽に借り入れできる状況ではありませんでした。
そうした中で、一般的なサラリーマン層を対象にした街場の金貸しとしてスタートしたのがサラ金・街金なのです。
サラ金・街金が人気を博したのは、当時主流だった銀行の融資とは全く異なる3つの特徴によるところが大きかったと言えます。
これらの特徴は、現在のキャッシングにも引き継がれています。
今でこそ銀行でもキャッシングとほとんど同様のシステムで利用できるカードローンの取り扱いが増えてきていますが、当時、銀行でお金を借りるにあたっては、不動産などの担保や保証人を求められることがほとんどでした。
しかし、誰もが担保にできる価値のあるものを所有しているわけではありません。また、保証人というのは周囲の人にはなかなか頼みづらいことでもあるため、そもそもお金を借りたくてもこの段階で話がすすめられなくなってしまうことも珍しくありませんでした。
また、銀行では融資を実行する以上、その使用目的は明確なものでなければなりませんし、基本的には融資は一度きりで終わるものというのが共通認識でした。
こうした厳しい制約なしで手軽に利用できるサラ金・街金は瞬く間に台頭し、多くの人が積極的に借り入れを行うようになりました。
(こちらもご参考に→どうしてキャッシングは担保も保証人も不要なの?)
しかし、その手軽さ・便利さがアダとなったのです。
何社ものサラ金・街金を掛け持ちして返済能力以上の借り入れをした結果、多重債務状態で返済難に陥るというトラブルが多発し、一時は社会問題にもなるほどの騒動になってしまいました。
これがキャッシングに対してよくないイメージを決定づける大きな要因になったと考えられます。
さらにキャッシングのイメージダウンにつながると同時に、多重債務者が続出するもう1つの原因ともなったサラ金・街金の最大の特徴が、金利の高さです。
銀行での住宅ローンやマイカーローンといった目的を限定した融資商品の場合、金利は1ケタ台が基本となります。
その一方で、サラ金・街金では最大でなんと100%という比べものにならないほどの高金利がまかり通っていました。
とは言え、当時これほどの高金利が通用してしまったのは、このようなサービスが登場したばかりで法律による規制が間に合っておらず、いわば無法地帯状態だったからと言えるでしょう。
その後、貸金業関連の法律がいくつか整備され、サラ金・街金の後発として登場した消費者金融の時代には上限金利が設定されました。
しかしその法律にも問題が多く、最大金利は本来であれば20%を上限としているはずなのに29.2%までは違反にならないという道理の通らない状況になってしまいました。この20%から29.2%までの金利はグレーゾーン金利と呼ばれ、長いあいだ問題視されてきました。
確かにサラ金・街金時代の融資サービスは、決して誰もが安全に安心して利用できるものではありませんでした。しかし、その状況が現在のキャッシングでも変わらずに続いているのかと言えば、それは全く違います。
貸金業法を含む貸金業関連の法律は利用者がより安全にお金を借りられるようにという方向で何度か改正を重ねてきました。特に2010年に施行された改正貸金業法はそれまでとは大幅に内容が変わったと言えます。
この2010年施行の貸金業法改正で注目すべきポイントが2つあります。
キャッシングにおける最大のトラブル要因となるのが、返済能力を超えて借り入れをしてしまうことです。
キャッシングでは非常に手軽にお金が借りられるので、いつの間にか借り入れ額が高額になってしまうことがあります。
しかし、借りるのは簡単でも、それが返せるかどうかというのは全く別の問題です。返済可能な金額以上の借り入れをしてしまえば、完済できずに途中で返済困難な状況に陥ってしまう可能性は高くなります。
そこで導入されたのが総量規制です。
(⇒総量規制についてもっと詳しく!)
具体例を挙げると、年収600万円の人ならキャッシングでは最大でも200万円以上は借り入れができないということになります。
借りる側としても、『本当はもっと借りたいのに…』と不満を感じることもあるかもしれませんが、借りすぎによる生活破たんを防ぐためには、やはりある程度の制限が必要なのです。総量規制はキャッシング利用者を守る1つの壁と言えるでしょう。
上で少し話が出たグレーゾーン金利も、この2010年の改正貸金業法施行のタイミングで完全撤廃されました。
もともとグレーゾーン金利が生まれた背景には、キャッシングの金利に関する法律として利息制限法と出資法という2つの法律が共存してしまっていたことがありました。
この2つの法律で上限金利の設定にずれがあったため、片方では違法なのにもう一方では問題ないというまさしくグレーゾーンが生じてしまったのです。
法改正後の現在では、キャッシングなどの個人向け貸付けの上限金利は以下のように設定されています。
貸付額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円以上100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
このように上限金利が統一されたことで、企業の大小やキャッシングの種類によって金利条件に大きな差が出ることはなくなりました。
もちろん、業者によって金利は異なるものですが、その差が10%や20%になることは絶対にありません。また、いざ契約してみたら当初の提示条件よりも高金利を請求された…などということもあり得ません。
金利に惑わされることなく、条件重視で安心してキャッシング業者を選ぶことが可能になったのです。
まず総量規制という取り決めができて、個人の借り入れ額の上限が年収を基準に制限されるようになったことで、返済能力以上の借り入れを未然に防ぐことができるようになりました。
さらに20%~29.2%のいわゆるグレーゾーン金利が完全に撤廃されたことで、高すぎる金利設定ができなくなり、キャッシング業者間の金利条件の差が小さくなったと言えます。
もともとの手軽で便利というメリットはそのままに、法整備によってより安全に利用できるようになったキャッシングは、困った時にとても頼りになるサービスです。
そんなキャッシングの安全性をさらに確固たるものにするためには、利用する側の意識も重要です。いくら法律上安全とはいっても、お金を借りるというサービスの性質上、1つ間違えると大きなトラブルになってしまうこともないとは言えません。
そこで絶対安全に、なおかつ快適にキャッシングを利用するために、ぜひ知っておいてほしい3つのコツをご紹介します。
キャッシングでお金を借りたい時というのは、急ぎのことが多いと思います。そんな時、つい焦ってしまって『とにかく借りられればいい、返済については後で考えよう』と思ってしまいがちですが、そのような無計画な借り入れはおすすめできません。
キャッシングを利用するうえで、事前に返済計画をある程度立てておくことは必須条件です。
毎月いくらずつなら返済が可能なのか、どのくらいの期間で完済する予定なのか、そもそも借りようとしている金額は自分の状況から見て返済可能な額なのか…など考えておかなければならないことはたくさんあります。
これらの条件を明確にしないままでお金を借りてしまうと、返済難に陥ったり、完済したとしても生活を少なからず圧迫することになりかねません。
また、キャッシングでは数千円から1万円程度の少額での分割返済ができるのが利点ですが、一方でこの方法だと支払い期間が長くなり、利息の金額が大きくなってしまうというデメリットがあります。
無理なく分割返済で着実に支払いを進めていくことも大切ですが、ボーナス直後など金銭的に余裕のある時には繰り上げ返済や一括返済でまとめて借入残高を減らすことで、利息を節約してよりお得に利用することができます。
キャッシング業者の中には、法的に必要な手続きを踏まずに違法営業しているヤミ金と呼ばれるところも少なからず存在しています。ヤミ金は法による規制を受けていないため、昔のサラ金・街金に近いシステムが残っており、とても安全に利用できるとは言えません。
危険なヤミ金に引っかからないために、安全な正規業者を確実に見分ける方法を知っておきましょう。
前提として、キャッシングのような貸金業を営業するためには国や自治体に届け出て認可を受ける必要があります。その認可を受けた証明として交付されるのが登録番号と呼ばれる固有の番号です。
ただしヤミ金の中には、虚偽の登録番号をサイトや店頭に掲載するなどして利用者の目をだまそうとするところもあります。登録番号の紐づけは金融庁のサイトで確認できるので、少しでも不審な点があれば必ず確認するようにしてください。
また、安全性を重視するならテレビでコマーシャルを流しているような大手の消費者金融や銀行カードローンを選ぶというのも1つの方法です。
安全と言われても消費者金融はなんとなく抵抗がある、でもお金を借りたい…という方におすすなのが、クレジットカードのキャッシング枠を利用するという方法です。
普段はあまり意識していないかもしれませんが、クレジットカードには通常のクレジット払いで利用するショッピング枠とは別にキャッシング枠がいくらか設定されていることがあります。
このキャッシング枠は消費者金融でのキャッシングと同じように枠内の金額であれば何度でも繰り返し使うことができるうえ、契約時に設定されていれば新たに申し込みや審査を受ける必要もないので、非常に手軽に利用することができます。
いざという時のために、お手持ちのクレジットカードにキャッシング枠があるかどうか一度確かめておくとよいかもしれません。
お金を借りる時には事前に返済計画をある程度明確にしておくこと、違法営業のヤミ金を避けて安全な正規のキャッシング業者を選ぶことで、トラブルを避けることができます。
また、消費者金融にはどうしても抵抗があるという方には、クレジットカードのキャッシング枠も同様の使い方ができるのでおすすめです。
一昔前のサラ金・街金や法整備がされていなかったころの消費者金融とは違って、現在の消費者金融やキャッシングというサービスは安全に、快適に利用できるようにしっかりとシステムが整えられています。
必要な時に手軽に現金の借り入れができるキャッシングはとても頼れる便利なサービスであり、『なんだかやばそう、危なそう』というイメージだけで敬遠してしまうのはもったいないことです。
ぜひキャッシングというサービスに対しての間違った先入観を取り払って、賢く上手に活用してください。
【参考ページはこちら】
キャッシングの危険性をチェック!
当時は貸金業に関する法律が整っていなかったためこうしたトラブルが頻発してしまったのですが、現在のキャッシングは総量規制やグレーゾーン金利の撤廃など法整備がなされているので安全・快適に利用することができます。
もちろん、事前に返済計画をたてる、危険なヤミ金を避けて正規の業者を選ぶなどの利用者側の意識も大切です。
『キャッシングはやばい』という間違った先入観を持たず、ぜひ正しい知識を持って賢く活用してほしいと思います。
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サラ金・街金は無担保・無保証人で借入限度額内なら何度でも借り入れ可能、さらに用途自由という当時としては画期的な条件で融資を行っており、その手軽さ、便利さは現在のキャッシングにも受け継がれています。
しかしサラ金・街金を規制する法律がない状態で高金利での過剰融資からトラブルが頻発し、社会問題となったことから、この種のサービスには危険なイメージが定着してしまいました。