消費者金融や銀行に融資を申し込む時、細かいことは気にせず、なんとなくお金を借りて、返して、を繰り返してはいませんか?
審査や毎月の返済以外にも、返済総額や利息の額が実際にどれくらいなのかという点も気にかけた方が本当はいいのです。
もちろん、細かくチェックをしている人もいるでしょう。とはいえ、大抵の人は、「計算が難しいから面倒だ」と思っているのではないでしょうか。
ほんのちょっと、基本的な計算方法だけでも知っておくと違います。それだけでも意識は変わります。実は、自分が思ったよりも多くの額を支払っているかも・・・。そんなことにも気づくかもしれません。
普段、日々の買い物以外でもお金を扱う事は多々あると思います。その中で、お金を銀行に預けたり消費者金融からお金を借りたりする際に「利息」という言葉を耳にすることでしょう。
銀行でお金を預ける場合においても、近所の銀行を利用する以外の条件として、どこの金利が一番高いか見比べて申し込みをする。「利息」が高いだの低いだのが気になるものです。
とはいえ、中には「利息」だけでなく、「利子」という表現をする人や、「利率」といういい方をする人もいます。
どれだけその言葉の意味を知っているのか、わかってて使っているのか。今一度、確認してみましょう。
利息 とは |
元のお金の金額と期間に対して、一定利率を計算して支払われる金額(物品も含)になります。手数料だと考えるとわかりやすいかもしれません。 |
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利子 とは |
言葉は違うのですが、意味としては利息と同じです。細かい違いを言うならば、利息はお金を受け取る側から見た言葉、利子はお金を払う側から見た言葉になります。 |
元本 (元金) とは |
融資等行われた場合の、元々のお金(金額)のことになります。 |
金利 とは |
元のお金から、金額と期間に対して計算する一定利率のことを言います。元金に金利を掛けると(期間も計算式に入りますが)利息になります。 |
年利 (年率) とは |
金利を1年単位で表したもの。正確に言えば、下記の実質年率と違って手数料や保証料が入っていない単純な金利のみになっています。 月単位ならば月利、日単位ならば日歩と表記されます。 |
実質年率 とは |
年率に手数料や保証料が含まれた状態を指す。業者は実質年率で表記が定められているので(大抵は手数料や保証料が無料としているところが多い)、実際は実質年率で表記されているのがほとんどです。 |
なんとなく雰囲気でわかっていた人もいるかと思いますが、改めて確認しておくと「意外に勘違いしていた」なんてことに気づくかもしれません。
ちなみに、利率には「法定利率」と「約定利率」というものがあります。「法定利率」は法律で決められた利率(民法5%、商法6%)ですが、実際には、あまり使われることはありません。
また、カードローンやキャッシングの契約の条件の項目の一つとして、「遅延損害金」というものがあります。
これはある意味罰金と考えるとわかりやすいと思います。カードローン等では返済日が決まっています。この返済日にお金を返さなければ「債務不履行」として、遅延損害金まで請求される事になります。
関連した言葉で、消費者金融からお金を借りる時に耳にする「利息制限法」も知識として重要な内容になります。
「利息制限法」で利息の上限が決まっており、それ以上の利息は無効となっています。
もし、支払った場合は、元本に組み込まれます。ちなみに遅延損害金は、制限利率の1.46倍までとなっています。
利息制限法の制限利率
元本10万円未満 | 年率20% |
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元本10万円以上100万円未満 | 年率18% |
元本100万円以上 | 年率15% |
正規の業者ならば、現在では「利息制限法」を超えるようなことはないはずです。(法律がある程度整備される前は別ですが)もし、法外な数字の場合は闇金の可能性があるので、注意が必要でしょう。
また、この「利息制限法」と同時に「出資法」があります。「出資法」は略称になり、正式名称は、「出資の受け入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」になります。
「出資法」に違反した場合、「利息制限法」よりも厳しく、懲役や罰金などの刑罰が科せられます。
この「出資法」ですが、以前は「利息制限法」よりも高い金利の設定になっていました。利息制限法よりも高い数字になっていたのです。このため、「グレーゾーン金利」という言葉が出てきて問題になりました。
出資法の制限利率
改正前 | 年率29.2% |
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改正後 | 年率20.0% |
現在は、利息制限法の20.0%と同じ上限になっています。以前は兎も角、平成22年6月以降は、この「出資法」のこともあり、20.0%を超える金利はないはずです。
金利の上限が法律によって定められている事がわかりました。また、その上限も20.0%までということも知りました。
しかし実際には20.0%の所もあれば、18%の所もあります。もっと低い数字の所もあるでしょう。この数字は、貸金業者によってかなり差があります。特に、消費者金融と銀行では大きく違うと感じているのが大半ではないでしょうか。
どうしてなのかは想像に難くないかもしれませんが、消費者金融の方が金利が高いのには、様々な理由があります。
通常の人件費や経費もさることながら、これらにも当然お金が掛かります。
どうしても消費者金融の場合、銀行よりも返済の難しい人が申し込む傾向があります。銀行よりも金利が高い分、審査が緩く、借りやすいという利点があります。(審査が厳しい緩いは個々の金融機関の違いがあるので、絶対とは言えませんが。)
が、これは弱点にもなり、返済ができなくなる人も銀行より多くいることに繋がりかねません。債務整理や自己破産をされた場合、当然回収金額は減ります。延滞の人がいればその対応に人件費が掛かりますし、ある日引っ越しされて連絡が取れなくなる場合もあります。かなりのリスクがあるのです。
また、そもそも消費者金融は銀行から融資を受けて、それを資金にしているという面もあります。その返済には当然金利がかかっているので、その分、経費が掛かることになります。
広告費もテレビやチラシを見ればわかるように、かなりお金を掛けています。そもそも消費者金融は特に元々のイメージが良くない人が多いと考えられます。そのイメージを払拭するためにも、広告費を掛けて、お金を借りるという行為を身近に感じてもらう必要があるのでしょう。
できれば法律上限ギリギリまで金利を上げておいて、少しでも多くの利益を得たいのはどこも一緒でしょうが、それでは顧客を得るのは難しいもの。借りる側としては、金利が安い方に申し込むのは当然です。
しかし、その為に返済できないような人ばかりだと経営困難になります。もちろん、金利が安ければ、返済側の負担も減る分、貸し倒れのリスクも減るという考えもあります。微妙なところでしょう。
どちらにしても、審査というものがあります。また、キャンペーンで無利息期間を作っている業者もいます。
このような数字以外のポイントがあることを知っておいても損はないはずです。
お金を借りる側としてはどこから借りるのか、ただ金利の数字だけでなく、審査の問題や返済も含めて、融資先を考えるようにしたいものです。
お金を借りる時に銀行にするか、消費者金融にするか、ついつい数字だけを見がちだけど数字だけではわからないことも多くあるのでしょうね。借入先を探すのにも参考になりそう。
その返済に関してですが、返せないと判断されると当然審査に落ちるわけですが、では、実際返済できるかどうかというのを、自分できちんと計算している人はどれくらいいるでしょうか。なんとなく、「月々これくらい返せばなんとかなる。」と漠然と考えている人が多いのではないでしょうか。
しかし、なんとなくだと実際の返済になって、「考えていたように返せない。」「思ったよりも返済額が多い。」と気づいたりするものです。
「こんなはずではなかった。」と思うだけならばまだいいのですが、返済が思うようにいかず、気づけば長期間になり、返済が負担になったり、できなくなったりしたら大変です。
そうなる前に一度、自分でいくらお金を借りたか、いくら返済しなければいけないのか、考えるべきです。その方が、返済に対して責任感も出ます。もちろん、正確な数字が出せれれば一番いいのですが、計算する事自体が面倒な人もいれば、苦手な人もいます。
無理に細かい計算をするのは、かなり負担に感じるでしょう。
そういう方には、一番の基本になる計算だけでも頭に入れておく。それだけでもかなり違います。利息を出す計算式がそもそもの基本になります。
利息の計算式
「利息=元本の金額×利率」になります。
正確に細かく言うならば、「元本の金額×利率(%)÷365(日)×返済までの日数」になります。
利率は基本的に年率で表記されているでしょうし、その上での計算になります。
実際には、1年後のタイミングで返済することはないですが、このような計算式になります。
これを例えば30日と60日返済で考えてみます。
日 数 | 計算式 | 利 息 |
---|---|---|
30日 | 100,000円×18%(0.18)÷365日×30日 | 1,479円 |
60日 | 100,000円×18%(0.18)÷365日×60日 | 2,958円 |
60日で返済するよりも30日で返済する方が、利息は少ない=負担が少ない、となります。
これはあくまで基本的な考えとしての計算になります。
でも、実際に自分がどれだけ借りたらどれだけ返さないといけないとか、利息をどれだけ払っているのか、ということも知っているのと知らないのとはでは違うはず。
あくまで基本的な利息の計算方法だけだけど、それだけでも知っておくといいのではないでしょうか。
では、実際にはその計算の通りに物ごとが進むかと言えば、そういう訳にはいきません。と言うのは、実際の場合、大抵が返済額が一定額に決まっていて、利息そのものはわかりにくくなっているからです。
その一定額の中には、元本にあたるお金と利息が含まれています。いくら元本分でいくら利息分になるのか、分かりにくい状態です。
しかも、1回目で返済が行われている分、2回目の元本(1回目の残高)の額が変わっています。その金額に対して、また計算をする形になります。それを繰り返す形になります。
例えば100,000円を18%の年率で30日ごとに10,000円ずつ返済する場合の内訳
回 数 | 残 金 | 元本分 | 利息 |
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1回目 | 100,000 | 8,521 | 1,479 |
2回目 | 91,479 | 8,647 | 1,353 |
毎回返済する10,000円の内訳は変わってくるのです。
利率は年率で表されている場合が一般的なので、1年以内に完済するならば、最初の元本×利率の計算よりも利息が増えることはないでしょう。数年掛かる場合は、その分期間が長くなる為、注意が必要です。
また、限度額内で元本にあたる金額が減った分、追加融資を行ったら注意が必要です。
追加融資をした場合、計算で言う元本の金額が変わって増えるので、必然的に利息も増えることになります。
もっと厳密に言えば、返済方式により微妙に都度の細かい計算が違ってきます。毎月の返済額によっても変わってきますので、最終的な返済総額を出すには、細かい計算が必要になってきます。
基本的な利息の出し方を知る程度の方が、混乱しないかもしれません。
それこそ多くの消費者金融の商品概要には、このような言葉が並んでいると思います。
いくつか支払い(返済)方法があるのですが、その中でもよく「リボ払い」という言葉をクレジット利用の時も耳にすると思います。多くの方は知っているでしょうが、「リボ払い」が「リボ」は「リボルビング」の略です。
上記の返済方法がいくつかあることでわかるように、リボルビング払いでも細かい区分けがあります。まずは考え方の基本として知っておくと、自分で計算しようと思った時も楽かと思います。
毎月支払う一定額の内訳
「元金定額」の場合 | 元金のみ |
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「元利定額」の場合 | 元金+手数料(利息) |
ですので、「元金定額リボルビング払い」の場合は、一定額に利息がプラスされて支払う必要が出てきます。
また、残高スライド方式もよく見る言葉ですが、上記の例で説明したような、多くの消費者金融が使っている返済方法になります。借入額(または、借入残高)の額によって最低返済額が決まっているのは、よく消費者金融でも金額が提示されているのを見ると思います。
「スライド」の言葉でわかるように、最低返済額が決まっていると言ったのですが、借入額(借入残高)によって、段階的に毎月の返済額が変わってくるというのが特徴と言えます。
基本的な利息の計算方法や言葉を記載しました。しかし、それだけでは全てではないこともわかったと思います。実際には返済方法が細かくいくつかあり、厳密な計算はそれぞれで、返済方法で変わってくるところがあります。
そうなるとやはり、「計算なんてできない!」と思うかもしれません。
そんな時は、返済シュミレーションを使うといいでしょう。
今はネットの普及で大手消費者金融は、漏れなくホームページを持っています。その大半は、返済シュミレーションができるようになっています。これを活用しない手はありません。
それぞれの会社によって入力形式が違うでしょうが、希望融資額、利率、を入力する形になっています。その入力も返済額を目安に入力できたり、返済回数(借入期間)で入力できたり、それぞれの状況で検討することができるようになっています。
シュミレーションにより、返済金額を入力すればいつまで返済しなければいけないのか、返済回数を入力すれば毎月いくら返さなければいけないのか、などわかります。
もし、シュミレーションがないような小さな業者の場合は、直接相談して、計算してもらうと言う手ももちろんあります。
なので、基本的なことしか触れなかったけれど、返済方式もいくつかあり、また違いもあるなどの基本を知っていると、商品概要説明を見てもなんとなく自分がどれだけ返済しないといけないとか、消費者金融を選ぶ際の参考になるのではないでしょうか。
それ以外にも、金利の数字の思い込みには注意が必要です。「利息制限法」の上限の利率いっぱいで設定している業者もあれば、そうでない業者、また銀行は金利が安いと言われています。その金利ですが、よく●%~△%という表記になっています。
よく下限金利や上限金利という言い方をするのですが、もちろん小さな数字の方が下限金利になります。または最低金利と言う時もあります。
ちなみに上限金利は、法律で決められた(出資法や利息制限法について上で説明した)15~20%を超えることは、一般的にありません。超えていたら、それは違法業者、いわゆる闇金になります。
細かい返済一覧や説明を読めばわかるのですが、初めてカードローンを利用する場合、金利の数字は表記されている中でも高い金利で設定されているものだということです。
希望がそのまま勝手に自分の中での決めつけになるのか、低い数字の方で勝手に考えて、こんなはずじゃなかった!と言うこともあり得るのです。
また、返済方法にもいろいろあり「元金均等方式」や「元利均等方式」をはじめ、細かく言えばいろいろあるのですが、多くを把握するのはまず素人には無理です。
とはいえ、業者のような専門家レベルまでは無理としても、ある程度の知識を持っていると持っていないとでは、かなり違います。
もちろん経験してわかることもあるでしょう。しかし、お金で失敗する場合は、注意しないととんでもない授業料になってしまいかねない場合があるのです。例えば、闇金と知らずに借金をしたら大変なことになります。
しかし、少しずつでもさまざまな情報を知っておくことは、延滞や多重債務に陥らない、借金の返済を滞りなく終わらせるなど、果ては闇金などに手を出さない、などのお金の失敗をしないためにも必要なことなのです。
まずは試しに、自分で基本の計算をしてみてはどうでしょうか。
それに、それぞれの消費者金融の商品概要を見ても確かに違うので、それらの返済方法や計算を覚えるのは無理なのは確か。
それでも、基本的なことや考え方を知っているのと知らないのとでは、全然違っているもの。細かいことまで熟知する必要はないでしょうが、基本的なことは知っておくといいのではないでしょうか。
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特に法律が絡んだ言葉に関しては、「知らない」という人も多いかも。法律が絡んだ言葉は、ヤミ金対策にもなるので、知っておくといいのではないでしょうか。